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子宮内膜症の各種治療後の再発データ |
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このデータは「日本子宮内膜症協会」が1996年に調査したものです。
【子宮内膜症の診断のある人1100人、有効回答703人(64%)、平均年齢
34.4歳(20〜57歳) 】 2001年にも【子宮内膜症の診断のある人2200人、有効回答1073人(49%)、平均年齢
36.3歳(22〜61歳) 】調査されていますが大きな変化はありません。詳しくは日本子宮内膜症協会ホームページへ |
→JEMA日本子宮内膜症協会 |
日本子宮内膜症協会は、子宮内膜症の女性のサポートと、 よりよい女性医療(とくに子宮内膜症医療)を探求する当事 者による非営利組織です。 当薬局とは関係はありませんが、役に立つと思い紹介しま した。 |
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なぜ、子宮内膜症になったのでしょう |
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月経期ないし月経直後には、大多数の女性には月経血の逆流ないしは赤色のタグラス化窩貯留液が認められ、その中には生きた子宮内膜細胞が検出されます。
そのため、90%以上の割合で女性の腹膜には子宮内膜症的なわずかな変化(子宮内膜症予備状態という)は起こっていますが、生体維持防御システム(免疫系一内分泌系一脳・神経系のネットワーク)が働き健康な腹膜を維持しています。
しかし、さまざまな生体維持防御システム破綻要因によって、健康な腹膜環境を維持できなくなり、子宮内膜あるいはその類似組織が異常に増殖・発達していくのです。
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子宮内膜症の腹腔内環境 |
子宮内膜症の病変部分は、免疫反応がうまくいかず、強力な戦士であるNK細胞は減少し、異常活性化されたマクロフアージがいろいろなサイトカインを分泌したり増加させたりして、よくない腹腔内環境を生み出し、妊娠しにくい環境となっています。
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子宮内膜症における不妊との関係 |
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(1)自己免疫異常による流産 (2)抗子宮内膜抗体による着床障害 (3)黄体機能不全による着床障害 (4)マクロファージによる精子の貪食 (5)精子機能の低下 (6)受精障害や胚発育抑制 (7)卵管運動性障害 (8)卵巣・卵管機能の機械的障害 (9)排卵障害 |
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子宮内膜症の各種病変 |
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子宮内膜症の漢方療法 |
子宮内膜症の漢方療法 |
私たちの病気や異常状態を解消・緩和するのは現代医療だけではありません。 それらの中の代表的な道具の一つが漢方医療です。 子宮内膜症における漢方医療の役割はいろいろあります。
(1)子宮内膜症そのものを改善するため。
(2)現代医療の薬物療法(タナゾール療法やGnRHアナログ療法)に伴う副作用を軽減し、治療に耐え得る体力をつけ、治療を完了するため。
(3)現代医療の薬物療法の効果を高め、再発率を低下させるため。
(4)現代医療の薬物療法後の妊娠率を高めるため。
子宮内膜症のある女性の心身は似ているようで、お血(微小循環障害・局所の組織増殖や変性)、気滞(ストレス過剰からくる心身のバランスの失調)、水毒(病理的な原因によって生じた体液の偏在.痰、飲、湿などという)などの心身の失調と異常が多く見られます。 それで、活血化剤、理気剤、利水剤と免疫賦活作用のあるものなどを組み合わせて治療します。 時間と気持ちに余裕のある人は、ぜひ、生薬を煎じる方法を試みてください。自分のために自分でコトコト生薬を煎じる時間や香りは、総合的に心身にプラスになります。
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漢方療法は少し専門的な内容になりますが紹介します |
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子宮内膜症の治療の選択 |
子宮内膜症の治療の選択 |
子宮内膜症とどのようにつき合えば良いのか、どのように治療を選択すれば良いのでしょうか、
もう一度「子宮内膜症の各種治療の効果」を見てください。
現代医療の子宮内膜症に対する各種治療効果は再発率が高いというのが現実です。
専門医は「根治手術(卵巣と子宮の摘出手術)をしない限り再発再燃しやすい」といいます。
また、上の「子宮内膜症の発生概念図」を見てください。
子宮内膜症の発生には外的要因・内的要因・社会的要因が複雑に絡み合って発生します。
そのなかでも、生体維持防御システムの低下が重要なポイントになっています。
つらい副作用に耐えて薬物治療を終えて、腹腔内の内膜症が無くなっても、生体維持防御システムが低下したままであれば、再発するのは当然です。
現代医療だけを選択するのか、漢方医療を選択するのか、両者を併用するのか、方法は3通りあります。
あなたに最適な方法をアドバイスできると思います。
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子宮内膜症のセルフケア |
子宮内膜症のセルフケア |
(1)血流を促進し、全身の全ての細胞まで血液を行き届かせる(栄養と酸素と水分などを届け、老廃物と二酸化炭素などを受け取り、白血球がパトロールをして、60兆個の細胞の生命活動を支える。
(2)血流や発汗で体表の熱の出入りを調節して、身体の深部温度を保つ。
(3)身体の60〜70%を占める水分を清浄化し、全身にバランスよく配置する。
(4)内臓・筋肉・骨・関節などを柔軟に活動させ、負荷をかけ新陳代謝を促進する。
(5)末梢神経から脳に至るまでを刺激して、内分泌・免疫・脳神経・自律神経などを調節し、ネットワークを保つ。
(6)よい感情を交流させて、すべての総司令部である脳を活性化する。
これは東洋医学的には、生命エネルギーの棚である「気・血・・水」を、滞りなくスムーズにめぐらせることです。とくに、子宮内膜症の改善に必要なお血、気滞、水毒を解消します。
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具体的なセルフケア |
1.衣服は、身体を締め付けすぎないように。
2.冷房・暖房という人工的な空調空間にいるときは、少し工夫をする。暖房で乾燥し過ぎると、粘膜が荒れるので、加湿器が必要。職場の過剰冷房は、ひざかけ、靴下、スカーフなどで、冷気を避ける。健康に良い室温は25〜28度。
3.飲食も、身体を暖めるものと冷やすものを意識しよう。ただし、冷房や冷蔵庫の普及した現在は、夏でも食事はからだを暖めるものの方が良い。体を冷やす作用のある果物や生野菜は旬のものを少しいただくだけでいい。
4.五色食を食べよう。赤(肉・魚・野菜)・白(穀物・いも頬・野菜・豆腐・魚・乳製品・果物)・黄(野菜・大豆製品・みそ・柑橘系果物・チーズなど)・緑(野菜)・黒(海草・きのこ・ゴマ・こんにやく・プルーンなど)の五色を意識して食べよう。
5.日用品・下着・寝具などは、抗菌・防虫・防ダニ加工(有害化学物質)のないものが心身によい。
6.運動は有酸素運動がよく、20〜30分のウォーキングがよい。
7.入浴は手軽なセルフケア。38〜40度までのぬるめのお湯に、おへそから心臓までの間の水位で、心地よい汗がでるまで10〜20分ほどリラックスしてつかる。
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