どのような人でも、いきなりがん告知を受けると、落込むでしょうし、思いきり不安になるはずです。しかし、患者さんご自身に治ろうという強い意思があり、あらゆる努力をする用意があるのならば、がんは完治しうる可能性はあると私は考えています。
がんは決して不治の病ではないのです。残念ながら特効薬はいまのところありません。 しかし、その人にあった、治りうる手立ては必ず見つかるのです。 実際に私の薬局では、治る手立てをみいだし、元気に生活をしていらっしゃる患者さんは少なくありません。
癌治療(手術・化学療法・放射線)は早いスピードで進歩しているように思われているようですが、残念ながらそれほどでもないのかもしれません。 学問としての癌の医学は進歩しているのかもしれませんが、患者さんに施される医療に関してはそれほど進歩していないというほうが正確です。
胃がん、子宮頚部がんなど、一部のがんの診断に関しては進歩がみられ、以前にくらべ早期のがんがみつかるようになりました。 そのために、一見治療効果が上がったかのような錯覚に陥るのですが、実は、より早期のがんが発見されるようになったために、見かけ上、がんの生存率が上がったかのように映るだけなのです。 つまり、ある程度進んだがんに対する治療成績には、はっきりとした改善がみられないというのが実態です。
“がん”そのものを専門にする、いわゆる「がん専門医(全身病として“がん”というものを捉え、総合的に治療をする医者)」が大変少ないのも西洋医療の大きな欠点の1つでもあります。
がん、とりわけ中等度以上に進行してしまったがんに対しては、対症療法を積極的に行ったとしても、わずかな延命効果しか得られないのが現状で、そのわずかな延命効果も、多大な苦痛と忍耐を代償にしてやっと得られるかどうかという非常に厳しいレベルなのです。
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