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第5回のテーマ「新型インフルエンザ」 |
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新型インフルエンザの潜伏期間 |
新型インフルエンザの潜伏期間は、通常1〜2日ほどです。 その後突然発熱し症状が現れます。
潜伏期間は早くて24時間後遅い場合は4〜5日ほどで、長くても最大7日後には症状が現れるとされています。
学校でクラスメイトがインフルエンザと判定され、学級閉鎖になったとしても前日、学校で接触をしていた場合は、感染の可能性があります。潜伏期間は最大7日間もあるとされていますし、近くでインフルエンザの人が出た場合、いつ感染していてもおかしくありませんので、自分の健康状態や家族の健康状態はこまめにチェックをしておく必要があります。
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新型インフルエンザの予防
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新型インフルエンザの予防対策として一番効果のあるのがマスクの着用となります。 一般的に花粉症などで使うマスクではなく、3層構造になっているマスクがインフルエンザには有効になります。 マスクの着用は、ただ口元をふさぐだけでなく鼻と口をしっかり覆わないと全く意味がありません。 マスクの効果が持続するのは一般的に6〜8時間といわれており、それ以上はそのマスクを利用しても効果がないといわれています。8時間以上着用したら新しいのに交換してください。
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新型インフルエンザにかかったと思ったら |
38度の熱が突然出たら、まずは新型インフルエンザを疑ってください。 ただし、新型インフルエンザかと思った場合行こうと思う医療機関に電話で直接問い合わせをして下さい。
病院によっては新型インフルエンザが疑われる患者さんを別の入り口から入れたり、専用の隔離部屋を設けています。そのような説明を受けてから受診してください。 もしどうしても受診できる病院が見つからない場合は、保健所や市町村の保健センターなどに問い合わせて受診できる病院を教えてもらってください。
病院に行く際には、マスクをしっかりつけて、周りへの感染を防ぐ努力をして下さい。 また、長時間待たされる場合もありますので水分補給ができるお茶やスポーツドリンクを持参しておくとよいでしょう。
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新型インフルエンザの症状
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新型インフルエンザの症状は、通常のインフルエンザの症状とほぼ同様。 38度以上の発熱 ・頭痛 ・のどの痛み
・鼻水 ・せき ・関節痛
・倦怠感などが特徴的な症状とされています。
ただ、患者さんの1割程度の人に、下痢や嘔吐などの消化器症状が見られます。これは通常のインフルエンザにはほとんど見られない症状です。
なお、ぜんそくや心疾患、腎疾患、糖尿病など基礎疾患のある方や乳幼児、高齢者、妊娠中の方は重症化するおそれがあるので、早い対応が必要です。
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自分でできる予防 |
最も効果的な手段であるワクチンがいまのところ供給不足で早期に期待できない。それ以外の手段で予防効果を高めるには、免疫力を高める漢方薬やサプリメントが有効。
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新型インフルエンザと漢方薬情報と私の考察 |
漢方薬の麻黄湯(まおうとう)がインフルエンザの治療で抗ウイルス薬のタミフルと同じ程度の症状軽減効果があるという研究結果を福岡大病院の鍋島部長らが明らかにしたと読売新聞が伝えています。
その内容は、A型インフルエンザウイルスを検出した18〜66歳の男女20人の同意を得て実施。うち8人はタミフル、12人は麻黄湯エキスを5日間処方した。ともに発症48時間以内に服用し、高熱が続く時は解熱剤を飲んでもらった。
服用開始から平熱に戻るまでの平均時間は、タミフルが20.0時間、麻黄湯が21.4時間でほとんど差がなかった。解熱剤の平均服用回数はタミフルの2.4回に比べ、麻黄湯は0.6回と少なくて済んだ。日本感染症学会で4月に発表されました。
鍋島部長らは「正確な効果の比較には今後大規模で厳密な研究が必要だが、タミフルは異常行動などへの懸念から10歳代への使用が原則中止されていることもあり、漢方薬という選択肢の存在は大きい」と話しています。 (注)
麻黄湯のインフルエンザへの効能は以前から承認されています。
漢方薬・麻黄湯が、新型インフルエンザに効くかどうかはこれからの研究を待たないといけません。ウイルスはどんどん進化してタミフルの効かない耐性ウイルスも今後増えていくでしょう。 「麻黄湯」とは別に、タミフルと同等の効果があると言われている漢方薬「大青竜湯(たいせいりゅうとう)」も紹介されています。
現在は発熱が始まっても、ウイルスが増殖して高熱(39℃以上)にならないとキッドで診断されません。慎重を期すためキッドで「新型インフルエンザ」と確認されるまでタミフルは投与されません。
また、新型インフルエンザが発症した場合、家族は十分な感染防止策を行わずに患者に濃厚接触しウイルスの暴露を受けます。家族に発熱などの症状が出た場合、軽微であっても感染している可能性が高く、他人に感染させる恐れもあります。早めの予防投与などを実施する必要があると考えますが、確実に発症し「新型インフルエンザ」と確認されるまでタミフルは投与されません。
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そこで、私の経験から推測する「新型インフルエンザ」の治療法を紹介します。 |
[1]、発熱が始まったら、たとえ軽度でも「漢方薬」治療を始める。
<例> (1)、麻黄湯 板藍根 (2)、麻黄湯 板藍根 インターパンチ (3)、大青竜湯
板藍根 インターパンチ (4)、銀翹散 板藍根 インターパンチ
38.0度以上の場合には、2〜3時間間隔で服用する。 漢方治療が効いた場合には、12時間ほどで発汗・解熱を繰り返しながら、37.0度以下に下がってきます。 37.0度以下になってきたら、普通の服用回数1日3回に戻します。
◇板藍根:2002年に中国でSARS(サーズ)が流行した際、中国政府が公開した予防薬や治療薬の処方にとりいれられ効果を発揮した生薬です。中国ではカゼの予防や治療に広く利用されているよく知られた漢方薬です。新型インフルエンザにも効果が期待されています。
◇インターパンチ:インターフェロン(INF)誘起作用をもつ漢方生薬をベースに、ビフィズス菌とラクチュロースを配合し、生体防衛力(免疫力)向上を目的に山之内製薬(現アステラス製薬)が開発した漢方サプリメントです。
[2]、38度以上の発熱は医療機関でも診察してもらってください。「新型インフルエンザ」と確認されタミフルなど処方された場合でも、漢方治療を併用したほうが回復は早いようです。
[3]、家族が「新型インフルエンザ」を発症した場合、同居しているものが発熱などの兆候が少しでもでた場合には、まずは[1]、麻黄湯+板藍根を服用するのがベターだと思います。
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