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男性の更年期 |
男性更年期の正式な病名は「性腺機能低下症」。男性ホルモン(テストステロン)は筋肉を増やす働きだけでなく、認知機能や血管の柔らかさ、脂質代謝や性機能などに広く関係している。
分泌量が減ってくると、集中力や意欲が低下し物覚えも悪くなってくる。筋力も弱くなり日常生活や行動範囲も狭くなる。排尿異常や男性機能も衰える。
米国の研究によると、男性ホルモンはストレスの影響を受けると分泌量が大きく減少する。神経質でストレスに弱い人ほど男性更年期になりやすい。
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男性は女性ほどの大きな変化がない
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女性の更年期には、「閉経」というはっきりした区切りがあり、その年齢には個人差はあるが、平均的には50歳の前後10年間と、一定の幅に限られています。
一方、男性の場合、生殖機能が終わる年齢も個人差が非常に大きく、その衰え方は女性に比べて非常に緩やかです。
しかし、40代半ばから50歳前後にかけて、男性ホルモンはその濃度は低下しはじめ、それにほかの「心理的要因」や「社会的要因」が相互に絡み合って発症します。
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男性更年期症状の特徴 |
日本での調査によると、男性の更年期の症状には、疲労感や睡眠障害、抑うつ感や不安感、集中力の低下など精神神経症状が多く、肩こり・腰痛なども目立ちます。
抑うつ感や不安感といった、いわゆる「気分の障害」は、同時に性欲減退やインポテンスなどの症状を伴うことも多く、この性機能の低下が、生活意欲の減退や自信喪失、憂うつ感を深めるという悪循環を生み出します。
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この時期に大切なこと
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■ 1日7時間以上の睡眠をとると、男性ホルモンの低下を抑えることができます。
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音楽を聴いたり温泉に入ったりすると、自律神経のうち副交感神経を刺激することになり リラックスできる。
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趣味を持つこともとてもよい。脳の老化を予防するためにも必要なことである。
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カロリー過多は男性ホルモンの低下を招く。食事は腹八分目にする。
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ウォーキング、ゴルフなど適度な運動を楽しみながら、筋力・体力の低下を予防する。
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男性更年期障害の代表的な漢方薬
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(1) 腎気虚衰:年よりふけてみえる、皮膚の乾燥、白髪、記憶力低下、性機能の減衰など
代表的な漢方薬:八味地黄丸加減・牛車腎気丸・鹿茸大補湯
(2) 肝腎陰虚・心腎陰虚:血圧が高め、動悸、眠りが浅い、不安、イライラ、耳鳴りなど 代表的な漢方薬:杞菊地黄丸加減・知柏地黄丸・天王補心丹・柴胡加竜骨牡蛎湯 三黄瀉心湯など
(3) 肝胆鬱熱:憂うつ、イライラ、神経過敏、動悸、夢多い、目眩、口が苦いなど
代表的な漢方薬:杞菊地黄丸加減・知柏地黄丸・天王補心丹・柴胡加竜骨牡蛎湯 三黄瀉心湯など
(4) 心腎不交:不眠、動悸、不安、耳鳴り、性機能の減衰など 代表的な漢方薬:天王補心丹加減代表的な漢方薬:温胆湯加減
(5) 気血虚損:疲労倦怠感、皮膚や毛髪につやがない、食欲低下、性機能の減衰など
代表的な漢方薬:補中益気湯・人参養栄湯・鹿茸大補湯
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■ 男性更年期のチェックリスト
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◇男性の更年期は一般には45〜60歳頃◇
更年期の男性によくみられるからだのチェックリストです。 あてはまる症状があれば点数をつけて、合計点をだしてみましょう。
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合計点についてのアドバイス
中または強の評価が3つ以上あれば、
男性更年期障害の可能性があります。
合計点数が10点以上の場合は、早めの治療が必要です。
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