約60兆個と数えられている私たちのからだの細胞は、組織の若返りと恒常性維持のため、平均すると体の約200分の1の細胞が毎日アポトーシスによって死に、それに相当する細胞が分裂によって補われています。1日の数にして約3000億個。
多くの発癌物質の中で生活している現代人は、健康な人でも実は毎日体内に3,000〜5,000個のガン細胞は発生しているといわれています。これらガン細胞は体内の免疫細胞(NK細胞やキラーリンパ球)に攻撃され死滅してしまうため、ふつう腫瘍(ガン)になることはありません。しかし、何らかの理由でこの「ガン免疫」が低下した場合、ガン細胞のいくつかが生き残りやがて腫瘍(ガン)にまで成長します。
ガンの治療法を考える際には、「ガン免疫」をいかに高いレベルで維持しながら三大治療法である「手術」・「放射線治療」・「抗がん剤(化学療法)」を受けるかがよい結果(腫瘍の縮小・消滅)を導きだすための重要なポイントとなります。免疫力を高いレベルで維持できると、副作用の軽減・転移・再発の可能性も低下し、末期症状の方の延命効果、苦痛の軽減を含むQOL(生活の質)の向上も期待できます。
このようなしっかりとした基礎治療(本治療法)の上に、必要に応じさまざまな治療を積み上げることが重要であり最も効果的であります。
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